フィルターバブル現象ですとか、エコーチェンバー現象という言葉を聞いたことはありますか?
2024年の全国学力テストで国語の問題として出題されておりました。今の子どもたちが置かれているインターネット利活用状況について示唆がありますので改めて以下整理したいと思います。
<フィルターバブル現象>
インターネット上の検索エンジンやSNSなどで、ユーザーの過去の行動履歴に基づいて、個々のユーザーに最適化された情報ばかりが表示されることで、まるで泡(バブル)の中にいるように、自分と似たような情報ばかりに囲まれ、異なる意見や情報に触れる機会が減ってしまう現象のこと。
<エコーチェンバー現象>
SNSなどのインターネット上で、自分と似た意見や価値観を持つ人々とばかり交流することで、自分の意見が肯定され、増幅・強化される現象のこと。
全国学力テスト問題でも、上記認識を示したうえで子どもたちの意見を問う内容になっていました。
フィルターバブルやエコーチェンバーにならないようにするためにアプリ側で抑止するための戦略としては、
・フィードを「おすすめ」アルゴリズムではなく、時系列またはランダムなものに切り替える
・エンゲージメント最適化アルゴリズムを反転させ、頻繁に再投稿されるセンセーショナルなコンテンツの可視性を減らす
・視点の多様性を高めて、ユーザーが反対の見解に触れる機会を増やす
・感情を刺激するのではなく相互理解を促進するコンテンツを推奨する
・再投稿の数やフォロワー数といった統計情報を非表示にして、社会的な影響力を知る手がかりを減らす
・アカウントの自己紹介を削除して、アイデンティティに基づくシグナルの露出を制限する
などが考えられますが、いずれの戦略をとっても現象発生を抑止できない(結局フィルターバブルもエコーチェンバー現象も発生してしまう)ようです。以下記事参照。
したがって、フィルターバブルやエコーチェンバーがある前提でのネット活用になるのだと考えます。
フィルターバブル現象に陥らないためには、多様な情報源からの情報入手や、プライベートブラウズの活用(履歴を残さない)。
エコーチェンバー現象に陥らないためには、1次情報の重視や、自分と異なる意見を持つ人の情報に触れる。
などの対策が必要なのでしょう。以下記事参照。